世界各地197か国の代表が集まって気候変動を防ぐための取り組みについて話し合うためにエジプトで開催されていたCOP27が閉幕しました。

今回のCOPでは、これまでのCOPではあまり大きな議題として上ってこなかった「「損失と損害(Loss and Damage)」について進展がありました。

これまでは気候変動を防ぐために地球の気温上昇を抑えたり、そのために脱炭素を進めることに重点が置かれてきましたが、既に気候変動の被害を受けている国々にとっては、将来起こる被害を防ぐだけでなく、すでに今、目の前で起きている損害について補償をしてほしいという願いがあります。気候変動を起こしてきた責任が少ない途上国に、その責任を大きく負う先進国が、補償の形で金銭的支援を行うべきだという要望は、これまでも様々な国から上がってきていました。

これまで気候変動を起こす元となったのは、主に先進国の産業発展が原因なのに、それによって起きる熱波や干ばつ、洪水や海面上昇などの被害を受けがちなのは、インフラが整っていない途上国が多いという現状があります。例えば、度重なる洪水の被害を各地で受けているパキスタンでは、被害を受けた住民たちを救済したり、家をなくした人々を受け入れたり、代わりの住宅を提供したり、インフラを再整備するための資金が圧倒的に不足しています。

このような脆弱な途上国に、被害者を救済するための資金や技術援助について、先進国からの積極的な対応がせまられているのです。

これは「気候正義」、すなはち自分たちは何もしていないのに被害を受ける人たちに、気候変動につながる経済活動を続けてきた先進国が適切な補償や支援をするべきだという考え方に基づいています。

今年のCOPは久しぶりにアフリカで行われましたが、議長国をつとめるエジプトは途上国を代表する立場から、このための具体的な取り決めをCOPの場で話し合うことを主張しました。

その結果、COP27では、開催地の名前を冠した「Sharm el-Sheikh Implementation Plan(シャルム・エル・シェイク実行計画)」に合意しました。この計画では、気候変動の被害に対して、途上国を支援するための支援対策が盛り込まれ、このために特別な基金が設立されます。この資金の具体的な運用やルールについてはこれから話し合いを進め、次のCOP28での採択を目指します。

SDG13