グローバルSDGs講師育成講座受講生のレポートを紹介します。

Lesson7の課題:「自分が関心のあるSDGs目標の現在の状況を調べる」

今回紹介するレポートは、関心のあるSDG12目標について詳細に調べてまとめ、自分の感想や意見、体験もそえたものです。 

 SDGs12「つくる責任 つかう責任」の現状
 
・天然資源への依存度

世界の1人あたりマテリアル・フットプリント(需要を満たすために消費された天然資源量)は、2000年には8.26トンだったが、2017年には12.18トンに増加。2000年から2019年の間に65%超の上昇。
2010年の日本のエコロジカル・フットプリント(人間が消費し、廃棄する需要量)は、世界の一人当たりの量の2.3倍。そしてその66%は日々の生活から生じている。
 
(岸本)⇒日本人の消費、廃棄量は世界平均の2.3倍。そしてその半分以上が日々の生活から生じている。日本人は地球にとって大迷惑な生活をしています。生活スタイルを変える必要があります。

・食料廃棄問題
フードロスの推移
2012年度 642万トン
2015年度 646万トン
2018年度 600万トン
2019年度 570万トン
2020年度 522万トン
減ってきてはいるものの、まだまだ膨大な量の食料が廃棄されている。
 
収穫後小売市場に届く前に失われる割合 は13.3%
食料全体のうち、消費者レベルで廃棄される割合 は17%
 
(岸本)⇒知人に給食センターで働いている人がいますが、その人も毎日大量に廃棄される食べ物を見るのが一番つらいと言っています。余ることが当たり前になってしまっていて、料理をお皿に分配する時点で、全てを分配しきらずに、子ども達へ支給する前から余らしてしまう人もいるそうです。大量の食料の中で、食べ物への感謝の気持ちがなくなってしまっているのがよくわかります。
 
・プラスチックゴミ問題
廃棄物量の増大による焼却場や埋立地不足、使い捨て(シングルユース・プラスチック)による資源の無駄使い、廃棄物が海に流れ出す海洋プラスチックやマイクロプラスチックが世界的な問題となっている。
1950年以降生産されたフラスチック83億トンのうち約69%の57億トンが投棄・焼却されている。リサイクルされたのは約7%の6億トンにすぎない。
2016年に開かれた世界経済フォーラムでは、魚と海洋プラスチックゴミの割合が2014年は5:1で、2050年には1:1の割合になるというショッキングな予想が発表された。
 
(岸本)⇒飲料メーカーのキリンが、再生PET樹脂100%の「R100ペットボトル」の拡大を進めており、ペットボトルの持続可能性100%を目指していたり、私の地域の活動でも、隣接する4つの市で連携してリサイクル施設が運営されており、リユース、リサイクル、リフューズ(ごみを減らすため過剰包装など断る)、リデュース(ごみになるものを減らすため最後まで使い切る、など)を呼びかけていたりと、やはり諸所で活動は進んでいます。
いろいろ見ていく中で、プラスチックごみが「ごみ」とならずに100%再生されるサイクルを目指すことがとても大事だとわかりました。ただ、一消費者として、また一市民として、どのように協力すればよいのかが分かりづらく、資源ごみの分別方法ひとつを取っても情報があちこちにあり、しっかりと調べる意欲がないとなかなか難しいと感じました。誰にでもわかりやすい情報とその伝え方はやはりとても大事で、個人的にも考えていきたい部分です。
 
・衣服に関する問題
世界で排出されるCO2の約10%はファッション産業が排出しており、2050年には26%を占めると予想されている。衣類の製造には毎年930億m3の水が使用されており、石油産業に次いでワースト2位の産業となっている。
世界で毎年作られる服の85%が焼却や埋め立てなどで処分されており、ファストファッションが主流になったことで更に衣料品の生産量と廃棄量が増加している。
 
労働問題も深刻である。
賃金について言えば、ファストファションの生産工場のほとんどは、その地域の最低標準であり、国によっては最低標準以下のケースも少なくない。
そして時間外労働を強制され、毎日の平均労働時間は10〜12時間で、注文の多い時期には16〜18時間にもなる。賃金が低いあるいは仕事を失う恐れがあるため、労働者は残業を断ることができないのが現実である。
また、もともと付加価値が低いこのような衣料品加工工場は、安全設備に出すべき費用を削るため、健康や安全上のリスクも高まる。2012年には、パキスタンの工場で火災が発生し、250人以上の命が失われた。事後の調査によると、この工場は稼働できる消火や警報などの防災設備が一切なく、避難経路も一つしかなかった。
2013年にもバングラデシュで商業ビルの崩落事故が起こり、建物倒壊の危険が問題視されながらも対処せずにいた結果、ビル内の縫製工場で働く若い女性ら1000人以上が犠牲になった。
命に直接に関わる安全設備の不備のほかに、長期的な健康を損なう有害化学物質も問題になっている。ファストファッション工場では一般的に合成染料や合成繊維が大量に使われていて、そのなかに発がん物質があるため、長期間それらと吸入、あるいは接触すれば、肺がん、乳がん、中皮腫や生殖機能障害などの難病を患う可能性が高くなる。
 
また、児童労働者の多数がファッション関連生産産業にいる。
産業革命時代に、生産技術が飛躍的に進歩し、や海外市場の開拓につれ、労働力に対する需要が急激に上昇した。児童の権利を保護する法律がまだなかった当時、工場(特に織物産業)が都合よく児童を雇用しはじめた。
それから百年後の現在、バングラデシュ、ベトナムなどの途上国の衣料品生産工場では、まるで時間が止まっているように同じ悲劇が繰り返されており、グローバリゼーションによって、この光景が先進国から途上国に移っただけである。
 
*国連の児童労働に対する現代的定義によると、15歳未満(途上国は14歳未満)、つまり義務教育を受けるべき年齢の子どもが教育を受けずにおとなと同じように働くことと、18歳未満の危険で有害な労働を「児童労働」としている。
International Labour Organization(国際労働機関)によると、現在全世界で1.7億人の子供が児童労働として働いていると推定される。
 
(岸本)⇒環境も条件も悪いところで長時間労働が毎日続き、ほんの子どもでさえもそんな生活を強いられ、人が人として扱われず、基本的人権など全く認められていない。人はこんな人生を歩むために生まれてくるのではないです。欲望のままに放置され続けた大量生産、大量消費から生まれるこの無意味な苦しみを、本当に早く終わりにしたいです。

岸本恵麻