グローバルSDGs講師育成講座受講生のレポートを紹介します。
Lesson 15の課題:

イギリスで行われているSDGsへの取り組みの中で、自分がいいと思っているもの、参考にしたいものについてまとめる

  1. はじめに

イギリスの先進的な取り組みについて具体的に学んで、とても楽しかった。特に

    1. スコットランドでの「公正なネットゼロ」達成のための取り組み
    2. マンチェスター大学の活動:地域社会や大学内での経済弱者を支援する活動等
    3. 人々の暮らしの中に持続可能な世界となるために貢献する意識が根付いている
    4. 持続可能なまちづくり

の4点は、参考になることが多く、もっと具体的な内容を知りたいので継続して勉強したいと思います。

本レポートではLesson15で紹介されたイギリスの先進的な内容に関連する内容についても調べてみます。

2.エリザベス女王工学賞

  エリザベス女王工学賞については知らなかったのですが、ネオジム磁石を発明した大同特殊鋼顧問の佐川真人氏(78)がエリザベス女王工学賞に選ばれました。

エリザベス女王の名を冠した化学賞の存在そのものが大変大きな意味を持つと思います。

日本にも、日本国際賞が設けられており、「物理、科学、情報、工学」と「生命、農学、医学」の領域からそれぞれ選ばれます。公益財団法人 国際科学技術財団が授与しており、今年ノーベル賞受賞が決定したカタリーン・カリコ博士も昨年受賞しています。しかし、日本国際賞は、故松下幸之助氏が私財を投じて設立した日本国際賞準備財団が基礎となっています。同様に「京都賞」がありますが、これは故稲盛和夫氏が設立した京都財団が創設しています。

昨今は、日本の基礎研究へ投資の不十分さが指摘されることが多くなりました。ノーベル賞を受賞された先生方の指摘は辛辣です。また。国立科学博物館では夏季の空調電気代が不足するとの理由でクラウド・ファンディングが行われました。標本を適切な温度状態で管理できないという理由でした。何をか言わんや、です。(私も寄付しましたが、本来は“国がやるべきです”という意見を添えました。)

ここで指摘しておきたいのは、日本はいうまでもなく科学技術で経済成長をしてきました。その基礎になる人材育成にも熱心に対応してきました。その日本が科学技術に対する取り組み意識が低くなっていることに極めて大きな危機感を持っています。

※因みに「最強の永久磁石」と呼ばれるネオジム磁石は、電気自動車(EV)用のモーターなど様々な製品に使われている。産業を支える技術革新でその後の商業化を導き、世界に恩恵をもたらした実績が評価されたそうです。

3.ネットゼロ

Lesson15においてネットゼロに向けたイギリスの取り組みについて参考になる内容がありました。

(1)2050年ネットゼロへの具体策

    1. 2030年までの温室効果ガス排出量削減目標を前倒しで50%に引き上げた。
    2. 風力発電など再生可能エネルギー推進、2030年までのガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止、低炭素水素発電開発、二酸化炭素の回収・貯蔵、建築物のエネルギー効率向上、自然環境保護などへの投資。

(2)公正な移行

      1. スコットランドは「移行訓練基金」を設立し、石油・ガス産業の労働者が他の産業で質の高い仕事を得られるよう再訓練している。
      2. その後「国家移行訓練基金」を設立し、グリーン・ジョブのために労働力を再訓練する取り組みを拡大
      3. 「公正な移行委員会」を通じ、労働者、コミュニティグループ、労働組合などのステークホルダーや政府機関との協議により、石油燃料からの移行によって影響を受ける労働者や地域社会を支援する取り組みを行う

※因みに、岸田政権がリスキリングのための方針を発表しましたが、5年間で1兆円。内容も具体的になっていません。

(3)大学の取り組み

    1. 教育機関も率先してリーダーシップを発揮している
    2. 最先端の科学技術を駆使してSDGs目標に向けて取り組み
    3. マンチェスター大学、失業者の職場復帰支援プログラムの運営、医学部学生がホームレスに無料で歯科治療提供、大学構内にフードバンクを作って無料で食料や生活必需品を配布 など

(4)最も大切なこと

      1. イギリスでは、誰一人取り残さない持続可能な世界を作る取り組みが長年の間に根付いていてそこに「SDGs」という名称が後からついてきた
      2. 地域コミュニティでも教育の場でもそういう活動が盛んで、大人も子供もさまざまなチャリティーや活動のために気軽に寄付したり、volunteerに参加します。

(5)街づくり

1 再開発中心の街づくりから、既にあるものを修復・改善して使い続ける

2 利益を最大限にできるかもしれませんが、それが気候変動問題に悪影響を及ぼすことについてはあまり語られません。

3 共通の財産を保全する

学ぶべきことが多いです。

4.「もったいない」は日本の文化

環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさんは、

私が初めて もったいない という日本語とその意味を知ったときに、国際社会への重要な意味が込められていると感じました。

私はまず、もったいない という言葉のルーツに感銘を受けました。長年、私が取り組んできた環境問題への活動の中、合い言葉としてきた 「3R(リサイクル・リユース・リデュース)」ということを、たった一言で見事に言い表しているからです。

私たちの住む地球を破壊に追い込もうとしている深刻な驚異を減らすには、資源の無駄遣いを無くし、使える物は再利用し、それが出来ない物はリサイクルをすることしかありません。

この「3R」は実用的であり先見性のあるものです。この「3R」は政府や企業だけではなく、皆様の地域や都道府県だけのものでもありません。誰もがこの当事者であり、私たち一人ひとりの生活の全てにあてはまるのです。

と訴えられています。

まさにそのとおりですが、肝心な日本はどこかで道を間違えたのではないかという気がします。

ある大学院のセミナーに参加した時に「私たちは 変なKPIの元で顧客や社会が求めていない製品やサービスの生産や販売を行ってきたのではないか・・・」という話を聞きました。

変なKPIとは、自然環境(環境破壊)や人々の健康(公害)などを、あるいは家庭や家庭生活までも犠牲にしても邁進した「GDP」「生産性」「効率性」や「便利さ」「物的な豊かさ」「東京一極集中」などを指しているのだと思います。

日本全体がそういう行動をしてきたように思います。(もちろん、私もその一人です)

 

今改めて、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを機会に「MOTTAINAI」を思い起こし、実行することが不可欠だと思います。

少し、イギリスに近づけると思います。

Y.S


子どもの頃、嫌いな食べ物に手を付けないでいると、食卓で母や祖母から「もったいない」という声を聞いて育った世代なので、昨今の、食べ残しを捨てること、ファストファッションを買って数回着ただけで捨てることが受け入れがたく、このレポートにとても共感しました。自らの反省も込めて。今は食べ残しはコンポスト、ファストファッションは卒業して「新しい服は買わない」方針にしています。