グローバルSDGs講師育成講座の受講生が提出してくださっている課題レポートを紹介します。

講座Lesson 11の課題で、タイトルは:

「日本企業のSDGsの取り組み例で、あなたが注目していたり、特に優れていると思うものを一つ選んでまとめなさい。」

 

■誰が何をどのように

 

○楽天「EARTH MALL with Rakuten」

https://event.rakuten.co.jp/earthmall/

 

・環境に配慮した商品を厳選して紹介しているサイト。

・コラムでの商品紹介がたくさんあり、楽しみながら買い物できる仕組みで、エシカル消費を促している。

 

■その目的や理念は何か

 

○目的は、事業を通じて社会貢献していくことです。

└EARTH MALL 担当者によると、楽天という会社が事業を通して社会と関わっていくために、消費活動を後押しする商品を扱っていくことが重要と考えられています(参考②)。巨大なプラットフォームを活用して、消費の形態を見直していくことができれば、将来的にはEARTH  MALLというサイトが特別なものではなく、市場のスタンダードになっていくことが期待されています。

 

○楽天グループのミッション:「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」(参考①)

└大きな経済圏を持つ楽天グループとして掲げるミッションは、社会をリードしていくことです。持続的な社会の実現とビジネスを切り離して考えるのではなく、人々の成長を後押しし、社会の変革を推進することで、すべての人にとって持続可能な社会を目指しています。

 

■SDGsのどの目標に貢献しているか

 

EARTH MALLでは認証ラベルのついた商品から、認証はないけれど人や環境に配慮された商品まで、現在では6万件を超える商品が選定されています。

 

※サイト内では、可愛いアイコンと共に、買い物をする際に意識したいキーワードが紹介されているので、参考程度に載せておきます。

 

■どの点がいいと思うか

 

○商品のストーリーを売りにしている点

└これに関してはメリットデメリットあると思ったので以下に記載しました。

 

メリット

エシカルな消費を促している。

(私が考えるエシカル消費とは、冷静になって、買うことによる影響を論理的に判断した上で、消費することです。)

 

デメリット

TOPに商品が置いてある訳ではなく、キャンペーンバナーや商品紹介リンクなどワンクッション挟んであることが、購買のしやすさを妨げている。→売上の伸び悩みにつながる可能性(結局お買い物のしやすさから市場に流れてしまうと、環境に良いものが選ばれにくくなってしまう)

 

○エデュケーショナルな内容を、分かりやすく親しみやすく紹介している点

 

○価格訴求をしていない点

└「グリーンなお買い物をすることで、〇〇ポイントもらえる」といったポイント訴求は多いものの、「〇〇円引き!」といった安さを売りにしていない点が良いです。同じ商品なら、環境に良いものを買いたいと思って買ってもらえます。

 

■これから期待できる展開や課題など

 

楽天は2023年までにカーボンニュートラルを達成することを宣言して、再生可能エネルギーへの移行を主に進めています。

▼カーボンニュートラルへの取り組み

https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2022/0928_01.html

https://corp.rakuten.co.jp/sustainability/environment/

この取り組みは脱炭素への大きな貢献にはなりますが、あくまでCSRとしての取り組みであって、ビジネスインパクトとしては影響が少ないです。

 

EARTH MALLは環境に配慮した商品を取り扱っていますが、店舗の取り組みにまでは目が向いていません。環境に配慮した製品さえ取り扱ってしまえば、他に独自の取り組みを行なっていない店舗でも利益を得られます。楽天によってサステイナブルになっているのではなく、サステイナブルなサプライヤーありきでの商売という事になります。

 

良い取り組みは行なっていても、本業の「物を売って利益を得る」という仕組みでサステイナブルにすることは今の段階では難しい状態にあるのです。

 

そこで、楽天が今考えていることは、楽天独自で店舗の評価の軸を作ることで、全国にある店舗をサステイナブルに変えていくということです。

楽天市場全体で環境に良い取り組みを行なっている店舗及び商品を見える化することで、消費者が「同じ価格の商品なら環境に良いものを買いたい」という、価格・ポイント以外の購入の動機が作れます。そしてそれらを会社が評価していくことで、全ての店舗が環境に良い取り組みを行なっていくことが予想されます。

楽天という日本で大きな経済圏を持った企業が、その中にある何万という店舗を変えることができれば、大きなビジネス&ソーシャルインパクトを与えることができると考えています。

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参考

①楽天サステナビリティ

https://corp.rakuten.co.jp/sustainability/

②「EARTH MALL」を推進する担当者のインタビュー by株式会社メンバーズ

https://blog.members.co.jp/article/36181

★おまけ 遊びながら自分に合った暮らし方を提案してくれるサイト↓

楽天「いつもの暮らしをサステナブルにスイッチ」

https://event.rakuten.co.jp/rmagazine/sustainability/shindan/

 

播磨誌織