グローバルSDGs講師育成講座受講生のレポートを紹介します。

Lesson8の課題:

自分が関心があるSDGs目標を選び、その進捗についてSDGs報告書で調べてまとめる

  SDG12「つくる責任つかう責任」について、2022年のSDGs報告書にもとづいて考えました。世界的には、SDG12の目標達成に向けた進捗はまだ十分とは言えない状況のようです。報告書によると、持続可能な消費と生産のパターンの改善には一部の地域で進展が見られるものの、多くの国で進捗が遅れている状況です。廃棄物の削減、リサイクルの促進、持続可能な資源管理など、多くの課題が依然として存在しています。特に、電子廃棄物の管理や食品廃棄物の削減については大きな見直しが必要です。

 日本においても、SDG12の目標達成には課題が残っています。日本はリサイクル率が高い国の一つと言われますが、食品廃棄物の削減やプラスチックごみの管理については、一層の改善が求められます。報告書では、日本が持続可能な消費と生産に向けた政策を進めている一方で、実際の成果が十分に出ていない点が指摘されています。学校において、SDG12の目標達成につながる、様々な取り組みを生徒たちと一緒に行なっています。ペットボトルキャップの回収を15年近く継続しており、これまで集めた累積数はすでに100万個を超えます。他にも、使用済みコンタクトレンズケースの回収や使い捨てカイロの回収、古着や古本リサイクルのボランティアなども行い、全校生徒や保護者の意識を高めながら、積極的に行動に移しています。

 現状の進捗状況を鑑みると、2030年までにSDG12の目標を完全に達成することは難しいのではないかと考えます。世界的な協力と各国の政策推進が必要な点で、まだ多くの課題が残っていると考えるからです。技術革新や政策の実効性向上など、各国の取り組みが加速されない限り、目標達成は困難ではないでしょうか。2030年までの目標達成を実現するために、次のような提案をしたいと思います。まず、各国が持続可能な消費と生産に向けた政策を強化し、実行に移すこと。特に、廃棄物管理やリサイクルに関する法制度の整備と施行が重要だと思います。また、リサイクル技術や廃棄物処理技術の革新を推進し、効率的な資源利用を実現することが必要だと思います。古タイヤを加工して、歩行者用道路に敷設するためのブロックに活用している事例やペットボトルを再利用して公園のベンチにする取り組みを見たことがあります。このようなイノベーティブな活動の可能性については、高校生と一緒に考えてみたいテーマです。消費者の意識改革を促進し、持続可能な消費行動を促す教育や啓発活動も求められてくると思います。

Y.K