最近日本でも、しきりに「SDGs」という言葉が使われるようになりました。けれども「エスディ-ジーズって何のこと?」「英語で意味が分からない」という声も多いようです。中には「何となくわかるけど、ホントのところを今さら聞けない」という人もいるようなので、ここで「SDGsとは何のこと」なのか基本的なことをおさらいしておきましょう。

 

そもそもSDGsとは?

SDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉は、英語の ‘Sustainable Development Goals’ の頭文字を取った略語です。

頭文字をとるときのお決まりで、「SDG」の3文字は大文字です。

最後に小さい「s」が付いているのは「Goal」が複数形だからですが、たまにこれを省略して「SDG」となっているのも見かけます。

発音ですが、かたかなで「エスディージーズ」と読みます。

では「SDGs」とはどういう意味なのでしょうか。

それぞれの単語の意味は次の通りです。

 

  • Sustainable = サステイナブル(持続可能な)
  • Development = 開発
  • Goals = ゴール(目標)

 

日本語でいうと「持続可能な開発目標」ということになります。

 

SDGsはいつできた?

SDGsは2015年9月ニューヨークで「国連持続可能な開発サミット」が開催されたときにできました。

この国連サミットで「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」として、SDGsが加盟国の全会一致で採択されたのです。

SDGsは発展途上国のみならず,先進国も取り組むべき普遍的なものであり,日本を含む、すべての国々が積極的に取り組むことを誓ったものです。

これは、2001年に策定された「ミレニアム開発目標(MDGs = Millennium Development Goals)の後継として作られたもので、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標という位置づけとなっています。

 

SDGsができた背景:持続可能な開発

1987年に、国連の「環境と開発に関する世界委員会」の委員長を務めていたノルウェーのブルントラント首相が「地球の未来を守るために(Our Common Future)」と題する報告書を発表しました。

それまでは個別に議論されていた開発問題を、地球環境と切り離して考えることができないとし、どのような開発をしても地球環境を守らない限り、人間の生活は豊かにならないという視点を導入したものでした。

このレポートでは「将来世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の要求を満足させる開発」という「サステイナブル(持続可能な)開発」の概念がはじめて打ち出されました。

この提言は1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(通称「地球サミット」)に受け継がれました。

この 地球サミットの後、今ではおなじみとなった、気候変動枠組条約締約国会議(COP)が始まり、京都議定書やパリ協定につながることになったのです。

 

MDGs(ミレニアム開発目標)

このような国連の取り組みの流れのなかで、2000年には新しい世紀のためのゴールを定めようということから、国連ミレニアム・サミットで「国連ミレニアム宣言」が採択されました。

このミレニアム宣言をもとに、2001年に開発分野における国際社会共通の目標としてMDGs(ミレニアム開発目標)ができました。

MDGsは2015年までの国際開発目標で、8つの目標、21のターゲット、60の指標からなっています。貧困や飢餓の撲滅、ジェンダー平等、子供の健康など、おもに開発途上国を豊かにするためのアジェンダが中心となっていました。

これらの目標は極度の貧困や飢餓の撲滅など、2015年までに一定の成果を上げ、その後は後継となるSDGsに受け継がれています。

MDGsとSDGsの大きな違いは、MDGsが主に開発途上国を対象としていたのに対し、SDGsが先進国も含めた世界の全ての国が取り組むアジェンダであるということです。

2015年9月の国連サミットで17のゴール・169のターゲットから構成されたSDGsは,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind」ことを誓っています。

これらの17の目標はそれぞれ個別・独立したものではなく、すべての目標に相互に関係があるとし、総合的・包括的に取り組みを進めることが重要であるとしています。

環境も、社会も、経済も、すべてがバランスよく調和してはじめて、理想の世界が実現すると考えるのです。

 

SDGsの17の分野とは

SDGSは17の大きなゴール、すなはち目標とそれらを達成するための具体的な169のターゲットから構成されています。

17のSDGs目標は、誰もがわかりやすいように世界共通のアイコンで表されています。

日本でも、このカラフルなロゴを付けた広告やポスター、またSDGsバッジをつけている人を見たことがあるかもしれません。

 

 

1. 貧困をなくそう

あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。

2. 飢餓をゼロに

飢餓を終わらせ、食料安全保障や栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。

3. すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、基本的な医療や福祉を提供する。

4. 質の高い教育をみんなに

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。

5. ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の教育や社会進出を推進する。

6. 安全な水とトイレを世界中に

すべての人々が安全な水と衛生を利用できるようにし、持続可能な管理を確保する。

7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々が安価かつ信頼できる持続可能なクリーン・エネルギーを利用できるようにする。

8. 働きがいも経済成長も

包摂的で持続可能な経済成長とすべての人々の完全かつ生産的な雇用、働きがいのある人間らしい雇用を促進する。

9. 産業と技術革新の基盤をつくろう

基礎的なインフラを構築し、包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、イノベーションの推進を図る。

10. 人や国の不平等をなくそう

国内及び国際間の不平等を是正する。

11. 住み続けられるまちづくりを

世界の誰もが安全で安心、さらに持続可能な居住が実現できる街づくりをする。

12. つくる責任 つかう責任

生産や消費の形態を持続可能なものにするために、一人一人が責任を持つ。

13. 気候変動に具体的な対策を

気候変動問題を解決するための具体差的な対策を講じる。

14. 海の豊かさを守ろう

環境保全と持続可能な開発のために海洋・海洋資源を守り、持続可能な形で利用する。

15. 陸の豊かさも守ろう

森林のの保護や回復、砂漠化への対処、持続可能な土地利用の推進など、陸の豊かさを守り、土地劣化や生物多様性の損失を阻止する。

16. 平和と公正をすべての人に

世界中の人に紛争や戦争のない平和で包摂的な社会を提供し、効果的で説明責任のある包摂的な制度や司法を構築する。

17. パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発目標を達成するために、世界中の人々が手を取り合ってパートナーシップを通じて取り組んでいく。

 

SDGs17のゴールの169のターゲット

SDGs17の目標にはそれぞれ細かいターゲットが5~10個ほど設定されています。

これを全部合わせると、合計で169のターゲットがあり、それぞれ具体的な目標が挙げられています。

たとえばゴール1の「貧困をなくそう」という目標には下記のような具体的な数値目標が挙げられています。

 

1.1「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。」

1.2「2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。」

 

これはほんの2例ですが、このような具体的なターゲットが分野別に169ほど挙げられているのです。

ターゲットの中には数値目標が設定されているものもありますが、多くは「〜を改善する」や「〜を強化する」という形で表されています。

このため、ターゲットの進捗を具体的に測定するために2017年の国連総会において全244(重複を除くと232)の指標が採択されました。

ターゲットと指標については、総務省のサイトにそれぞれの英文と日本語訳が掲載された対応表があります。

 

SDGsの取り組み

このように「SDGs」とは開発途上国から先進国まで、世界中に住む人みんなに関わりがある、包括的な目標だということがわかります。

このゴールを達成するために、国連では地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

SDGsはすべての国の、政府だけでなく、民間企業や住民全員が取り組むべきユニバーサル(普遍的)なものなのです。

日本でも政府を筆頭として、数多くの民間企業や団体組織がこのゴールに向けての取り組みに参加しています。各組織や企業のサイトでも、SDGsについての宣言や取り組みについて目にすることが多くなりました。

国連が定めた世界の目標というと、自分たちとは遠い大それたもののような感じがするかもしれませんが、SDGsは個人でも、私たち一人一人が取り組むことができるものです。

たとえば、レジ袋を使わずマイバッグを持ち歩く、ペットボトルによるプラスチックごみを出さないためにマイボトルを使うなど、SDGs達成のために毎日の生活でできることもたくさんあります。

私たちが気が付かずにしていることがSDGsの目標達成に貢献することもあるし、逆に無意識に問題を悪化するような行動をしていることもあります。だから、SDGsについて正しい情報を知り、一人一人が課題意識を持つことが重要になるのです。

 

まとめ

この記事で説明したSDGsについての基礎をおさらいしましょう。

 

  • SDGsとは、国連の持続可能な開発目標のこと
  • SDGsには17の目標と169のゴールがある
  • 地球上の「誰ひとり取り残さない」普遍的な目標
  • SDGsは企業も個人も身近なことから取り組むことができる
  • 世界中の一人ひとりの行動が、持続可能な社会を作る

 

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