グローバルSDGs講師育成講座受講生のレポートを紹介します。
Lesson 13の課題で、SDGsの海外事例について、自分で調べてみるというもの。
SDGs先進国である、デンマークの取り組みについて紹介しています。
デンマークの取組事例
デンマークには、SDGsの達成度世界1位の名にふさわしい特徴的な取り組みが行われています。世界でも類を見ないような興味深い活動なので今回、取り上げてみました。
デンマークは国全体として環境に対する意識が高いのが特徴です。以前は日本のように男女の社会的な格差があったものの、現在は少しずつ改善に向かっています。管理職になる女性が増える一方で、家事や育児に進出する男性も増えるなど、男女の格差が縮小しているのです。このような背景にも助けられ、国や自治体によるSDGs推進の取り組みは功を奏しており、組織や企業も更なる取り組みを進めています。
デンマークで行われているのは、「UN17 Village」という取り組みです。これはSDGsの17の目標をすべて達成できるようなビレッジを建設するプロジェクトです。一般に都市部では多くの二酸化炭素が排出されているという現状がありますが、快適な暮らしは守りつつも「サステイナビリティ」の考え方と両立させることを目指し、このプロジェクトが立ち上がったのです。
ビレッジは、2023年に完成する予定です。広さ35,000平方メートルほどの中に、リサイクルされた建材などを使用した5棟の建物が建てられ、800人以上が居住できる街になります。ビレッジ内で利用されるエネルギーは、100%再生可能エネルギー。屋上にはソーラーパネルが設置され、自家発電が可能となるのです。雨水を貯水するシステムが導入され150万リットルもの雨水が利用できるほか、多様な生物の住みかとなるよう、屋上庭園もつくられる予定となっています。
このビレッジは、自然環境という側面のみから持続可能性を目指しているわけではありません。居住地は多様な世代の人々が近隣と関係を築きながら暮らせるようにデザインされ、住人が精神的に健康な暮らしを営むことができるという点も考慮されています。社会的な持続性が生まれるのです。単に再利用した材料やエネルギーのみを使った街づくりではなく、新しい持続可能なライフスタイルを目指すことが目的なのです。
近年、SDGsの複数の項目に取り組む企業や組織は増えてきています。しかし、17の項目すべてをまとめて達成しようとする取り組みは世界にも例がありません。
SDGs国際レポートにおいて、毎年上位を占めている北欧諸国の中からデンマークのUN17Villageについて着目しましたが、すばらしいと感じたことは17の項目をすべて達成できるビレッジいう概念から街づくり都市へと拡大し、世界的な取組みへと進展して、特に発展途上国への開発に繋げていくことも重要な取組みだと考えます。
井上秀貴
SDGsの17の目標すべてに取り組むまちづくりという概念が画期的ですね。
このプロジェクトについて詳しく知りたい人はこちらのメインサイトを参考にしてください。