グローバルSDGs講師育成講座受講生のレポートを紹介します。Lesson 3の課題:
「SDGs17の目標のうち、自分が関心を持つテーマを選び、それに関連する情報についてまとめる」
ジェンダーでも、男女間の平等については、当事者が人口の半分はいるということもあって、自分事として考えられる人が多い中、LGBTQについてはあまり認識されていないように見受けられます。その中で、自分自身の体験からこの件について問題意識をもったという受講生のレポートです。

 

幾つか関心がある目標のうち、今回は、5「ジェンダー平等を実現しよう」についてまとめてみようと思います。特に、LGBTQの問題について興味・関心があり、将来はこのテーマにおいてワークショップを企ててみたいと考えています。
 
世界には、日本と違って様々な人種が既に存在し、生活しています。コミュニティーや学校が形成できるほどの規模で、それぞれの人種が尊重されてきています。
 
では、個々レベルのバラエティーについてはどうでしょうか。確かに、先進国ではゲイコミュニティが広がり、ナイトクラブなど夜のエンターテインメントの一角がある都市年もあります。最近では、虹色が示す意味も浸透してきて、社会での認知は昔と比べ広まりつつあると思います。
 
ただ、実際に自分の生活圏に存在するとなると、社会や周りの反応はどうなるでしょうか。残念ながら受け入れ体制が整っているとはいえません。そもそも、私たちに男女を超えた人種がいることを、先ず考えたことがあるでしょうか。
 
海外では、「ジェントルマン」「レディー・ファースト」といった素敵な男女差が存在します。そして、こうした習慣が世代を超えて受け継がれています。お互いのジェンダーを尊重しているからこそ出来上がったシステムだと理解します。そして、その意識は習慣化できるという証明です。
 
世界のどの歴史を振り返っても、女性の地位が低かったことは共通しています。日本も同様の経過と傾向を得て、徐々に変わりつつありますが、世界と比べて、スピード感は至らず、課題は山ほど積み残っています。現にSDGSレポートでも赤のカテゴリーに属し、その厳しい現実を示しています。男女差の問題でさえ課題が多く残る中、LGBTQについて、今後どのような取組がなされるのか注力しています。
 
日本は、宗教によってこうした人たちを排除したり、憎んだりする感情は芽生えないはずです。世間に浸透している理解は、単なるイメージや知らないことから生まれた偏見に過ぎません。既に遅れをとっている日本で、今後有効な策は、ジェンダーレスな新しい意識改革と理解浸透に向けた対策が早道かもしれません。
 
先日、経済産業省の職員がトイレ利用にあたって、最高裁が違法と判断し、尚且つ裁判官全員の補足意見が述べられた異例なニュースが世間に知れ渡りました。G7加盟国からも追い風を受けるかのように成立されたLGBT理解増進案法もあり、今回の流れは時代に沿った判決と取れますが、実社会での理解や浸透性は十分とは言えません。
 
世界中で権利を訴えるLGBTQの活動や、国内での個々の動きを観察して感じることは、普段の私たちの生活とあまりに大きなギャップがあるということです。権利の主張だけが独り歩きしてしまい、本来焦点を当てるべき基本的人権の尊重、個々の存在の尊重を人々は忘れがちな気がします。
 
わたしが出会ったゲイのお友達の中には、家族から縁を切られた人もいます。未だに自分の性的指向についてオープンに話せない家族もいます。家族という小さなコミュニティーでさえこうした状況です。着手すべき範囲は、案外身近に存在するということに気づきます。
 
わたしには、小さな子供がいます。これから色々なことを学び、吸収していく段階です。イメージに囚われない、偏見に陥らないアプローチで、先ずは「ジェンダーとは何だろう」というスタートから理解を促し、深めていってほしいと願います。お家で、子どもを通したコミュニティーと通じて、こうした理解講座のような企画をしていきたいと考えています。
 
2030年まで残り7年。課題は山ほどありますが、大きな変化ではなく、小さな試みから始めることで達成に辿り着ける基盤づくりができるのではないかと楽観視しています。

山口真苗

LGBTQ一般に関してもですが、特にトランスジェンダーについては一般国民の認知度が低いためか、極端な事例をもとにした偏見が広まったり、誤解をまねいたりしがちです。

なので、このレポートでも紹介されている、トランスジェンダー経産省職員のトイレ問題に対する最高裁の判決は画期的なものでした。

社会全体が少数者の人権を尊重する必要性を、司法が促すものであり、SDGsの理念にも通じているものといえます。