グローバルSDGs講師育成講座受講生のレポートを紹介します。
Lesson1の課題:
「あなたがSDGs講師育成講座を受講することに決めた理由は何ですか」
私は小学生の頃から国際協力に関心を持つようになり、様々な立場で細く長く関わってきました。しかし大学進学まで、国際協力に対する知識を持つ人が周囲にいないどころか、誰も私の話や考えを理解したり、歩み寄ろうとしてくれた日本人はいませんでした。それに加え、批判を受けるなど嫌な思いをすることも多々ありました。そしてほんの数年前まで、私の話にしっかり耳を傾けてくれたり、ポジティブな反応を示してくれる人は、業界人以外ではほぼ他国の人たちでした。
この状況に強い危機感と違和感を覚えたまま長い月日が経ち、国際協力などに関心をもつ人たちに出会っても、彼らの話は意識は偽善的で地に足のつかないものであったり、問題の本質をどこかに置き去りにしていると感じることばかりでした。現実的な意見や考えではなく、”想い”だけを訴えているような印象だったかもしれません。
少しずつ国際協力やSDGsなどに関心を持つ人が増えてきましたが、それでもなお、自分自身で考える・調べる・選ぶ・後追いをするなどの能動的参加が少ない状況は変わらないように思います。文化的背景や教育など様々な要因があってのこととはいえ、企業のSDGsの取り組みが早くも形骸化し、都合よくビジネス利用しているだけのものが散見される状況を鑑みると、市民の受け身・鵜呑みの姿勢が続くことは社会課題の根本的解決から遠ざかる要因になるのではないかと懸念しています。
私は日本社会が、社会課題や解決のための活動、世界情勢などを現実的に理解し受け止め、本質を捉えて見失わず、責任をもって行動する意識をもつことが必要だと感じています。小難しく堅苦しいかもしれませんが、社会課題の解決はそういうものだと思います。特に国をまたいでいる問題は。
しかしそこを工夫して面白くしていくことや、敷居を下げて参加の入り口を広げていきたいと思っています。それができれば、課題当事者の声を届け、彼らの存在を認識してもらうこと、埋もれた状態の数多くの可能性を引き出すこと、チャンスを掴む権利を手にすることを実現していけると考えているからです。
そのような幅広い世代へのアプローチであれば、ファンドレイザー資格保有者としてできる取り組みをすればいいとも思いました。しかし中小企業が多く、経営者の高齢化が著しい日本では、SDGsどころではない、どうすればいいのかわからないと困惑している経営者が多くいます。各分野の協働が課題解決には不可欠であることからも、中小企業にアプローチし、伴走できるようにもなりたいと考えるようになりました。そのため、この講座で知識のみならず、人に伝えて理解と行動を促せるスキルを身につけたいです。
大沢志穂