グローバルSDGs講師育成講座受講生のレポートを紹介します。
Lesson 3の課題:
「SDGs17の目標のうち、自分が関心を持つ目標を選び、それに関連する情報について、日々目にするメディアや一般社会、職場、他の人との会話などから得たことをまとめてみましょう。」
●2023/7/13 LINE CNN News
「気候変動で海洋の色が変化、過去20年のデータで判明 新研究」
-海洋の色は過去20年間で著しく変化しており、それは人間が引き起こす気候変動に由来している公算が大きいとする新たな研究結果が、科学誌ネイチャーに掲載。
世界の海洋の56%以上は、自然の変化で説明できない程度にまでその色を変えている。とりわけ赤道に近い熱帯の海洋は、より緑がかった色になり、その海洋の生態系に起きた変化を反映している。
「あらゆる変化は生態系が持つ自然の組織のバランスを崩す。海洋の温度が上昇し続けるなら、バランスは崩れる一方となるだろう」また「プランクトンの種類によって二酸化炭素を吸収する量も異なるため、そうした変化は二酸化炭素を蓄える海洋の機能にも影響を及ぼすだろう」と述べた。-
気候変動はゆっくり、でも確実に自然に、生態系に影響を及ぼしている。海洋の温度上昇により、生息するプランクトンの種類が変わり、そのプランクトンを食べる魚の生息地が変わってくる。それは漁業を生業とする人々の生活、私たちの食文化にも影響があるだろう。また、文献によれば「私たちが排出するCO2のは30%~48%以上を吸収している海洋機能も変化する。海洋でのCO2溶解度は水温が低いほど高く吸収は促進され、海水温の高い海域では放出されやすくなる。」(「地球温暖化と気候変動予測)より抜粋)つまり、海洋温度の上昇により大気中のCO2量も増加し、更なる温暖化を招く負のスパイラルが起こることを示唆している。
このニュース記事では、見えないところで起きている自然の変化を伝えることで、気候変動の現状、課題を私たちに教えてくれている。解決策についての言及はなかったが、負のスパイラルから抜け出すためのCO2排出量の削減、海洋生物の保護について私たち一人ひとりが考え、行動する事こそが解決への第一歩だと感じた。
●2023/7/13 LINE 日刊工業ニュースイッチ
「セブン&アイが食品値引き最適化アルゴリズム開発。損失率7%改善」
-スーパーマーケットの食品部門向けの値引き最適化アルゴリズムを開発した。過剰な値引きを回避でき、値引き損失率が7%改善した。最適な値段で完売できると店舗の利益が向上する。中長期的には従業員や調達先などを含めたサプライチェーン(供給網)の健全化につながる。値引き最適化では食品廃棄率を増やさないよう計算に罰則パラメーターを取り入れた。スーパーでの2週間の試験運用では、店員の判断で値引きする場合に18.7%だった値引き損失率が7%改善し17.4%に抑えられ、同時に食品ロスは増やさなかった。今後、鮮魚や精肉などの商習慣の異なる商品に適用を広げる。-
「食品値引きの最適化」は、お客様にとっては安く購入でき、事業者側にとっては値引き損失の改善、社会問題の食品ロスも軽減の三方良し。今後、最適化データ収集、分析が進むことで、記事にあるようにサプライチェーンと連携した更なる需給バランスの最適化に繋がり、必要なところに必要な量が供給される健全化が進み、また必要以上の物の流通を減らすことは、流通過程で発生するCO2排出量の削減効果も期待できる。規格外農作物の販売やフードバンク、子供食堂との連携・提供機会など身近なスーパーにあれば、より食品ロスに関して一人ひとりが参画できると思う。
●2023/7/19 Yahoo! Japan SDGsNews
「植物由来の積丹ジン、SDGs商機 三井物産は社有林活用」
-北海道積丹町に、新たな魅力が加わった。積丹スピリットは町内に蒸留所を設けてジンの製造販売を手がける。ジンの風味付けに使う原料となる「ボタニカル」は町が買い取った耕作放棄地で採れた植物を活用。原料のレパートリーはおよそ30。抽出方法にもこだわり、素材の組み合わせで幅広い商品づくりが可能に。企業のSDGsを表現するためのオリジナル生産の依頼もあり、三井物産は社有林のアカエゾマツを使った贈答用品を作った。
積丹スピリットは、地元のNPOと地元の海や山を守るための子供向け自然教室やツアーを開催。-
地産地消、町の活性化、そして企業のSDGsの取り組みPRにもつながる興味深い記事と感じました。私の地元(香川県)でも、高齢化による耕作放棄地は年々増え、管理する負担の大きさだけでなく、地域にとっては、景観や害虫被害、野生動物の生息の可能性など多くの問題がある。この耕作放棄地の課題を解決し、地域の特産物を生み、雇用を作る取組みは、「住み続けられるまちづくり」「陸の豊かさを守ろう」のゴールにつながる素敵なビジネスだと思います。
以前話題になった「葉っぱビジネス」(徳島の山間部のお年寄りが裏山で採取できる”季節感を演出する葉っぱ”を需要のある都心部に卸すビジネスモホデル)のような、地域が潤い、町にも人にも活気が生まれる地元の資産を活用するビジネスを考えられると素晴らしいと思います。
●2023/7/19 NIKKEI News
「伊藤忠商事、サステナブル食材のファミレス 都内に開業」
-国産や有機の食材にこだわり、環境に配慮した農産物や海産物、グループ会社の不二製油の大豆技術を活用したプラントベースフード(植物由来食品)などを提供。コンセプトは、食を通じたSDGsの体験。
具体的なメニューの例として、ボロネーゼの具材はひき肉ではなく大豆ミートを代替食品として使用、植物性の食材だけで作ったマルゲリータがある。また、規格外として捨てられるはずだったバナナのシェイクなど、およそ70種類のメニューが提供されている。POPには、食材それぞれの背景やストーリーが記載され、普段なじみのない食材も理解を深める工夫が施されている。
このほかにも食器はリユース品を使用、床は古い木材を再利用するなどコンセプトのとおり、店全体でSDGsを体験できる店舗となっている。-
「牛のおならとげっぷが地球温暖化を加速させる」とも言われる畜産業のCO2排出量増加、飼料生産のための広大な農地利用や人口増加に伴う食料需給のひっ迫への解決として、代替ミートの取り組みが活発になっています。今はファストフードやラーメンなどの手軽でボリュームのある料理が好まれていますが、日本では、精進料理があるように古くから肉や魚の代替食材で美味しく食べる文化が根付いていたと思います。ただ、精進料理は、お寺など特別な環境でのみ提供されるようになっていて馴染みが薄くなっているため、ファミレスとして身近に、またPOPなどで背景やストーリーなどより深い理解に繋がる取組みに興味が湧きます。リユース品の食器や木材再利用の床などへのこだわりは、私たちの生活の一つひとつがSDGsに繋がっていることを教えてくれます。お店でSDGsを身近に感じ、日々私たちができることを考えるきっかけが生まれる環境が提供されていると感じます。
南 紀子
日々目にするメディアや一般社会、職場、家族や友人などとの会話で、SDGs に関連する情報を目にしたり聞いたりすることがありませんか。
具体的に「SDGs」という言葉が使われていなくても「環境問題」「社会課題」「格差」などといったSDGsゴールに関連する情報があることに、あらためて気が付くこともありそうです。
SDGsについて学習しながら、日々の生活でもアンテナを立てておくと、生きた情報が入ってくるし、新しい取り組みにも気が付くことができます。