SDGsの目標は17もあるので、すべてを網羅するのは大変なのですが、それにチャレンジし、その上で、ご自分が関心のある分野について、もっと掘り下げて書かれたもの。

膨大な情報や資料を前にして途方に暮れることもあると思いますが、こうして自分が重要だと思う点を抽出し、自分の言葉で書いてみることで、理解が深まるのではないかと思います。

Lesson7 課題「自分が関心のあるSDGs目標の現在の状況を調べる」

・2015年以降、SDGs目標達成への進捗状況はどうか?

・2021年報告書やまとめ、関連情報を自分で調べて分かったこと、気になったこと

・2030年までに目標を達成するためにこれから何が必要か?

主な事実と統計

2021年報告書より

貧困
世界全体の極度の貧困率は1998年以降で初めて上昇し、2019年の8.4%から2020年には9.5%になりました。

健康福祉
2020年2月1日から12月31日の間に、世界各国の政府はCOVID-19危機に対応して1,600以上の社会的保護措置を発表しました。その大半は短期的なものです。
パンデミック関連のショックが発育阻害発生の引き金になる可能性があります。発達阻害の影響は、子ども5人当たり2人以上がすでに受けています。
パンデミックは保健分野での前進を停滞・後退させており、COVID-19自体を超える大きな脅威をもたらしています。およそ90%の国々が必要不可欠な保健サービスに1件以上の混乱が生じていることを依然として報告しています。

教育
COVID-19のパンデミックが学校教育に及ぼした影響は「世代的な大惨事」です。新たに1億100万人の子どもと若者が読解力の最低水準を下回り、過去20年間に得られた教育の成果を帳消しにしました。

ジェンダー平等
COVID-19のパンデミックは、ジェンダー平等に向けた前進にも悪影響を及ぼしています。女性と女児に対する暴力が深刻化し、児童婚の増加が予想され、女性の失業割合は不当に高く家庭でのケア労働が増加しています。

エネルギー
2019年には依然として7億5,900万人に電気が供給されておらず、世界人口の3分の1はクリーンな調理用燃料や技術を持っていませんでした。

経済成長
中国と米国が主導する景気回復が進んでいますが、他の多くの国々では、2022~2023年より前に経済成長がパンデミック前の水準に戻ることはないと予想されています。


世界は生物多様性の喪失を止めるという2020年の目標を達成できず、2015~2020年までの間に毎年1,000万ヘクタールの森林が失われました。

パートナーシップ
政府開発援助の支出純額は2020年に総額1,610億ドルに増加しましたが、COVID-19危機に対応し、国民総所得(GNI)の7%という長年の目標を達成するために必要な金額には依然としてはるかに及びません
2020年には132の国・地域が国家統計計画を実施し、そのうち84の国・地域は十分な資金提供を受ける計画があると報告しました。後発開発途上国(LDCs)46カ国のうち、十分な資金提供を受ける国家統計計画があると報告したのはわずか4カ国でした。

2022年報告書

貧困
複合的な危機によって、2022年には、パンデミック前の予測よりもさらに7,500万から9,500万多い人々が極度の貧困の中で暮らすことになるおそれがあります。

飢餓
世界の約10人に1人が飢餓に苦しんでおり、ほぼ3人に1人が十分な食料を定期的に入手できていません。

健康と福祉
予防接種率がこの10年で初めて低下し、結核とマラリアによる死者数が増加しました。

誰1人とり残さない
2020年には、世界における不安症とうつ病の患者数が推計で25%増加し、若者と女性が最も影響を受けました。

つくるつかう
2021年には、推計1,700万トンのプラスチックが世界の海に流れ込み、海に流入するプラスチック汚染の量は2040年までにその2倍から3倍に増加すると予測されています。

教育
就学前から大学レベルまでの学習者の約2,400万人が、復学できないリスクに直面しています。

パートナーシップ
インターネット利用者数は、2019年の41億人から2021年の49億人へと、7億8,200万人急増しました。

パートナーシップ
低所得国の輸出に対する公的債務・公的保証債務返済総額の比率は、2011年の平均3.1%から2020年の8.8%に上昇しました。

これらの報告書からとてつもなく大きな課題が山積みであると感じました。
究極的に言えば世界人口に対して地球が小さいのか、地球に対して人口が多いのか。
人口が増えれば経済が回る、消費が増え、労働機会が増える。
逆に言えば先進国は人口を増やすことで収益が増えたに過ぎず、何かが先進していたわけではないのではないかとさえ感じます。

それはさておき、強制労働、児童労働と日本は無縁だと思いがちです。
ですが、日本においては、「できるだけ安いものを買うのが良い」とする文化が根強く残っています。これかそが強制労働児童労働を助長していると考えます。

主婦向けの雑誌をパラパラとめくれば「節約」「倹約」といった単語が飛び交い、いかに「安いもの」でやりくりするかといった特集が目につきます。日本の長い不景気の影響もあるとは思います。

フェアトレードが日本に入ってきて30年以上になるそうですが、認知度は32.8%。イギリスでは70〜80%の方が認知しているそうです。
欧米では日本より30年も前からフェアトレード歴があるわけですから当然なのかもしれません。

また、商品が店に並ぶまでの工程が日本はとても複雑であると聞きました。いくつもの中間業者がいる事が当たり前の国なのかもしれません。

フランスやEUの農政を見ると、きちんと一度立ち止まって、過去の総括や清算をしています。「農業近代化政策は功罪ともに大きなものだった」と、罪の部分の認識を明らかにしているんです。そこが結局、日本が新しいステップに大きく踏み出せない原因になっているのではないでしょうか。
バナナやカカオに限らず、日本の生産者も苦しい時代です。

私が30年前にフランスのスーパーで見た芸術。
それはビニール袋に覆われる事なく、艶やかに積み上げられた野菜と果物。それは見事でした。崩れないようにそっと触って取る方式です。
日本も近い将来、トレーやビニール袋は当然無くなるんだろうなと思いました。
ところが今も変わらずパッケージされた、肉、魚、野菜、果物。
なぜパックしているのかというと、日本人は品物を散々触って選ぶからだそうです。もちろん1個のトマトを買いに来たけど2個セットの方がお買い得だったらそちらを選びやすくなり、売り上げが上がる理由もあります。
特に午前中のスーパーは散々触って、一番奥から取っていく人が多いように感じます。

私たち消費者の意識で日本はまだまだ伸び代があると感じます。

2030年までにもっとフェアトレードの認知度を70%に

・無理な生産活動を抑えることで、自然破壊や劣悪な労働環境をなくす

・取引の段階では適切な価格を支払い、 労働に見合った対価が受け取れる

・作り手から売り手までのこだわりの詰まった質の高い商品を手にとることができる

それが学習する機会を増やし、開発途上国の経済成長や文明開化につながると思うからです。
文字を共有し世界の歴史を知り自国に何が必要なのかを考える力が必要だと思うからです。

岡田智美