昨今、ChatGPTなどAI技術の革新が目覚ましく、大きな話題となっています。自然な対話形式で答えが返ってくるということで、これまで人間がしてきた仕事が要らなくなってくるのではないかという人も。

グローバルSDGs講師育成講座では個別セッションを行っていますが、それを通して思うのが、人と人とのじかのコミュニケーションがいかに大切かということです。

グローバルリサーチが提供しているSDGs講師育成講座は基本的にはオンライン、しかもオンデマンドがベースになっています。毎週のレッスン教材のリンクがオンラインで送られ、受講生は自分の好きな時間に好きな場所で、教材にアクセスして視聴したり読んだりして学習します。

毎週課題があり、その課題について希望者はレポートを提出するのですが、そのレポートを読むだけでも受講生一人一人のSDGsについての興味関心、さらに広く仕事や取り組んでいること、生い立ちやライフスタイル、性格や人生観までほの見えてきて、講師が受講生一人一人を理解することに役立ちます。

課題レポートに講師が直接感想や意見、疑問点などのコメントを記入することによってフィードバックをするのですが、そこからコミュニケーションができて意見の交換ができたり、お互いの理解も深まります。

そのほかにもSDGs講師育成講座では、いつでも無制限のチャット・メールサポート、それから毎月ヴィデオ/音声通話での個別セッションを提供しています。

個別セッションについては、お互いの貴重な時間を使いますので、強制参加ではなく希望する受講生が希望日時をリクエストしてスケジュールを調整して行っています。

SDGsについての話はもちろんですが、雑談のような会話からキャリア・人生相談にいたることもあるぐらい、話す内容は幅広くなってしまいます。そういった事もすべて含め、受講生個々のキャラクターと背景、SDGsに関する思いなどがすべて線でつながる機会となっています。

苦手な点やその理由がわかったり、何をどうアドバイスするといいのか、伝え方やタイミング、どんな補足情報が必要かについてもヒントがもらえるので、講座の個別指導にも役立つほか、講座内容のブラッシュアップにも利用させていただいています。

さらに、何気ない会話から受講生の人となりについて知ることによって、講座を通して出された課題がただのレポートではなく、その人独自の考え方や生き方を反映した「作品」であるということを感じます。

また、講師と受講生が実際に話すことは、講座を受けてくださっている方への安心感や信頼感、さらにモチベーションアップにも役に立っているという声をよくいただきます。

オンラインでの自主学習は時間や場所の制約がある人にとっては自由。でも、自立性がなく意思の弱い人にとっては強制力がないためについついさぼってしまいがち。でも、毎週の課題提出やちょっとした質問、そして個別セッションで講師とつながることにより、学習を継続する力がわいてくるというのです。

イギリスから日本に向けたオンライン講座ができるのは、技術が進んできたおかげでもあるし、デジタル化や新しい働き方が遅れていると言われる日本でも、コロナの「おかげ」で、在宅勤務やオンライン会議に慣れた人が増えたこともあるのかもしれません。

さらにAI技術が進んできている今の時代、講座をすべて自動化して終始完結するスタイルにフォーカスすることもできるし、講師をAIに変えてのセッションも可能になるのかも。

けれども、実際に会話を通して講師と受講生がコミュニケーションをとるというのはAI経由では手に入らない貴重な経験で、お互いにとってのメリットは大きなものになると思っています。

昨今、フリーランスで好きな場所で好きな時間にオンラインで働きたいという人も増えています。その働き方について、家から出かけることなく、人と会話することなく仕事ができるものと想定されている方も。

とはいえ、仕事というのは基本、人ありきで成り立っています。フリーランスで仕事が欲しければ、人脈づくりも人とのコミュニケーションも必須。SNSでもネットワークの輪は広がりますが、人脈として強力なのは実際に会話を交えたことのあるリアルな人。考え方や感じ方、物事のとらえ方や認識、温度感についてなど、SNSではどうしても限界があるし、お互いの安心感と信頼度の度合いが大きく違ってくると思います。

オンラインにしろリアルの出会いにしろ、やはり人とのつながりや信頼というは、生身の人間同士の会話によって構築するもの。コロナ禍でオンラインを通しての仕事に慣れてきた私は、SDGs講座の指導を通して、コミュニケーションの大切さについて改めて実感しています。そして、受講生の方にもそのようにおっしゃっていただけることがあり、そのたびにご縁がつながったことに感謝しています。